臨地実習で覚悟を決める
看護師を養成する機関では、看護師として必要な医療知識だけでなく、臨地実習も行われています。
臨地実習とは、学校ではなく病院や様々な医療機関、保健に関する機関や施設で行う実習のことです。
看護系の学校では1年生から4年生までかけて、何度も臨地実習を行い、学校で学んでいる理論や技術が実際の現場でどのように実践されているのかを習得しています。
実際には学校の教員や医療機関の実習指導者のアドバイスを受けながら、実際に患者を受け持って看護を行います。
看護師としての技術を学ぶためには欠かせないカリキュラムです。
看護学生が実習先で現役看護師と同じように働くことは当然できません。
実際に働く看護師は一人で何人も患者を担当するわけですが、看護学生は1名だけを担当し、その患者に必要な看護を行います。
看護実習で学ぶべきことは医療技術だけではありません。
学内では実際に患者と接することもなく、取り上げられることも実践する機会も少ないのですが、実は現場に出た看護学生が最も戸惑うのは患者とのコミュニケーションの取り方なのです。
座学では学ぶことのできないことを体感し、看護師として働くということを現場で感じることが、看護師を志す学生のモチベーションを高めます。
臨地実習はとても大変なことですが、看護師になるためには欠かせない経験です。
実際の現場を知っているかいないかで、学んでいる知識のもつ本来の意味を体感できることはとても大きな財産になります。
臨地実習中はできるだけ多く患者とそして現場のスタッフとコミュニケーションをとることが大切なのです。
実習生とはいえ、患者にとっては自分の命を預ける相手となります。
時には厳しい意見をぶつけられることもあるかもしれません。
実際に高い看護技術を求める患者の中には実習生が担当することを断る患者もいますし、病院によっては実習生の受け入れ自体を断ることもあるほどです。
看護師不足が深刻化している現代において、看護師を志す若者はとても貴重であり大切に育てるべき人材です。
看護師を志す人が安心して技術を磨けるような環境を準備することもとても大切です。
もちろん、臨地実習だけで看護師として必要とされる技術のすべてが身につくわけではありませんが、看護師としての最初の一歩として臨地実習はとても大切なものなのです。